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名作アニメの新発見資料も! 高畑勲監督の回顧展がスタート(ぴあ)

(公開: 2019年07月04日)




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出典元: 火垂るの墓 (c)野坂明如/新潮社,1988

昨年4月に82歳で亡くなったアニメーション映画監督、高畑勲の初回顧展『高畑勲展 日本のアニメーションに遺したもの』が、東京国立近代美術館にて7月2日(火)より開催される。

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1960年代の『太陽の王子 ホルスの大冒険』、70年代の『アルプスの少女ハイジ』、80年代の『火垂るの墓』、90年代の『平成狸合戦ぽんぽこ』、そして、遺作となった2010年代の『かぐや姫の物語』。

アクションやファンタジーに頼らず、日常生活を丹念に描写することで豊かな人間ドラマを作り出していった高畑勲監督の作品は、半世紀以上にわたり幅広い世代の人々に親しまれてきた。

同展は、1000点を超える資料をもとに高畑作品の代表作を年代順に紹介しながら、その演出術に迫るもの。遺品から見つかった制作ノートや絵コンテなど多数の未公開資料とともに、制作のプロセスをたどることができる。

展示は4章で構成。60年代の東映動画時代を紹介する第1章「出発点ーーアニメーション映画への情熱」から始まり、70年代のテレビ名作シリーズを中心とした第2章「日常生活のよろこびーーアニメーションの新たな表現領域を開拓」、80年代以降の日本を舞台にした物語に注目する第3章「日本文化への眼差しーー過去と現在との対話」、そして従来のセル・アニメーションとは異なるスタイルへの挑戦をたどる第4章「スケッチの躍動ーー新たなアニメーションへの挑戦」で締めくくられる。

同展の見どころとして、東京国立近代美術館主任研究員の鈴木勝雄氏は以下の4つの点を挙げる。

ひとつ目は、制作ノートなど新発見資料の展示だ。60年代前後に書かれた「ぼくらのかぐや姫」と題された企画や、20代のころのアイディアメモが新たに発見。卓越した観察力や演出アイディア、さまざまな研究など、多彩な才能に驚かされる。

ふたつ目は、盟友である宮崎駿と創造した『パンダコパンダ』『アルプスの少女ハイジ』の、新発見されたレイアウト資料やオリジナル絵コンテの展示だ。絵コンテとは思えない細かな描きこみや、生き生きとした描写など、貴重な資料はファンならずとも必見。

3つ目は、『アルプスの少女ハイジ』の舞台を精巧に再現したジオラマ。アルプスの雄大な自然と急峻な丘の上に建つ小屋を精巧に再現している。さらに、伝説的なオープニング映像の原画も紹介。ハイジの世界にたっぷり浸れる展示空間となっている。

そして4つ目の見どころは、『かぐや姫の物語』のスケッチ風線画によるアニメーションの紹介だ。多数の原画と解説映像から、高畑監督が晩年にたどり着いた新たな表現に注目したい。

映画や美術、文学、音楽の該博な知識をもとに、他ジャンルからの養分を吸収しながらアニメーションにとって可能な表現を模索した高畑監督。時代を超えて響くその思想のエッセンスを受けてほしい。